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「日本の嫌韓派は何を主張しているのか」 小倉紀蔵教授



2014年、11月24日。ソウル大学で小倉紀蔵、京都大学教授の講演があった。
一人で聞きにいったのだが、韓国で一般的に言われている「嫌韓派」とは多少違う、
小倉教授の見解を聞くことができた。


頷ける内容もいろいろあった。そして、韓国側からみると機嫌を損なうかも知れない内容も。
しかし、翌日の新聞を見ると、韓国社会の逆鱗に触れるような内容はほとんどなかった。


既存の「日本が悪い」論とあまり変わらない。これは記者の意図なのか、デスクの意図なのかわからないが、
小倉教授の話をバランスよく伝えたとは思えなかったので、新聞の記事と講演の際配られたレジュメをブログに載せる。





まず、朝鮮日報の記事(2014.11.24)
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/11/25/2014112501436_3.html
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小倉紀蔵氏「韓国の中国偏重が嫌韓あおった」

東アジアを「謝絶」したい嫌韓派
「『勢いの強い韓中と付き合わず自分たちだけで静かに生きよう』という心理強まる」
嫌韓には「戦後日本のヘゲモニー批判」の一面も
「朝日など左派の論理を打ち破ることが嫌韓派の目標」
日本を変える力は韓国にある
「和合の努力を認めず日本批判ばかりすれば、安倍政権にエネルギーを与える形に」



「韓国では在特会(在日特権を許さない市民の会)のようなヘイトスピーチ(憎悪表現)を行うグループと嫌韓派を混同しているケースが多いが、両者は明らかに違う。ヘイトスピーチよりもさらに深刻なのは、普通の日本人たちの間で嫌韓派が増えているということだ」

 京都大総合人間学部の小倉紀蔵教授(55)は24日、ソウル大日本研究所で本紙と行ったインタビューで「在特会を中心とするヘイトスピーチを行うグループは言行が低級かつ過激で、彼らを好む日本人はほとんどいない。日韓関係に与える否定的な影響も限定的だ」とした一方「日本の一般人の間で嫌韓派が増えている理由については、韓国も客観的に分析してみる必要がある」と述べた。小倉氏は同日行われたソウル大日本研究所の10周年記念セミナーで「日本の嫌韓派は何を主張しているのか」をテーマに講演した。以下は小倉氏との一問一答。

-嫌韓派の主張は。

 「一言で言うと『韓国は信じられない』というものだ。1965年の日韓国交正常化以降の50年間、両国は友好関係を結んできたが、日本人からすると韓国は『これ以上日本と付き合わないようにしよう』と言っているように見えるため、その韓国を排斥しようとしているのだ。特に、日本は韓国の中国偏重現象について、韓国人が考えるよりもはるかに深刻に受け止めている。韓国が経済的に大きな魅力を持つ中国と親しく付き合うことは理解するが、日本が長年にわたり韓国と友好的な関係を続けてきたのに、韓国はどうして中国にばかり近寄るのかという残念な気持ちを日本人が抱くようになったのは事実だ。それが嫌韓感情をさらにあおり立てている」

-嫌韓派は増えているのか。

 「自ら嫌韓派だとは言わないが、客観的に見て嫌韓派に分類できる日本人はかなり増えた」


-なぜ増えているのか。

 「日本社会は心理的に狭まりつつあり、他人を包容しようとする力が弱まっている。今の日本は1980年代の日本とは全く違う。総体的に自信を喪失し、孤独感が社会を支配している。嫌韓派は東アジアを謝絶したいと思っている。明治維新のころの代表的な政治家、福澤諭吉(1835-1901)がアジアと決別するという『脱亜論』を掲げたときは、日本がほかのアジア諸国の先を行っていた。だが、今は中国や韓国が先んじているため『勢いの強い韓中と付き合わず、自分たちだけで静かに生きよう』という心理が働いている。明治維新のころとは正反対の『逆福澤』の状況と言える」


-安倍政権の右傾化も嫌韓現象の延長線上にあると言えるか。

 「安倍政権の場合は嫌韓派とはまた異なる。嫌韓派は韓国に対し残念な気持ちを持つ純真な面があるため、これから性向が変わる可能性もあるが、安倍政権は平和憲法を改正して日本をもっと強い国にしようとしており、確信犯に近い」


-韓国では嫌日を扱った書籍が目に付くことはないが、日本ではなぜこれほど嫌韓書籍が売れるのか。

 「韓国人の場合、日本に対する情報が蓄積されている。日本もここ10年で韓国についてよく知るようになったが、一般の日本人にとって韓国はまだなじみが薄い。韓流が期待以上の成功を収め、韓国をきちんと知ろうという動きもあった。だが最近、韓国に少し近づいてみて、韓国という国が日韓友好を主張していた親韓日本人たちが描いた姿と異なるということを知り、衝撃を受ける人々が出てきた。そうした『日本を嫌う韓国』の存在を浮き彫りにしたのが、2005年から本格的に現れた嫌韓派だった」

-韓流の反動ということか。

 「韓国の良い面、良くない面にまんべんなく接して総合的な情報を吸収していく過程だと見ることができる。現在のところ、嫌韓書籍はほぼ似たような内容でレベルも低いため、日本人たちもすぐ次の段階の韓国を見る過程に移るだろう。私が韓国に留学していた1990年代、韓国で『日本はない』という本が発刊された。既成世代(現在の社会を率いる年配の世代)は『日本を学ぶべきだ』とばかり言うが、実際に接してみると『そんな日本はなかった』という内容だった。同様に、今の嫌韓書籍は『実際に接してみると親韓派の日本人が言っていたような韓国はなかった』といったことを、もっと水準の低い、過激な論調で記したものだとも言える」


-嫌韓現象のほかの一面はないのか。

 「嫌韓現象は韓国に対する批判であると同時に、戦後日本のヘゲモニー(主導権、権力)に対する批判でもある。日本の嫌韓はこの二つが合わさっている。嫌韓派は戦後日本のメディアや学界などがこぞって左寄り、あるいは中道に偏っていると見ている。マスコミの場合、朝日新聞をはじめ日韓友好を主張する勢力がこれまで主導権を握り続け、韓国を研究する学界も『植民地支配に対する反省がなければ朝鮮に対する研究とはいえない』といった風潮が支配してきたというのが、嫌韓派の主張だ。朝日に代表される左派の論理を打ち破ることが、嫌韓派の大きな目標の一つだ。最近の『朝日バッシング』は、単に同紙による慰安婦強制動員記事の撤回や謝罪問題のせいだけでなく、こうした意図の延長線上にあると見るべきだ」


-韓国はどのように日本と付き合うべきか。日本を変化させることはできるのか。

 「もちろん、日本が変わらなければならない。しかし、韓国も1965年の日韓国交正常化以降、両国が積み重ねてきた和合の努力を過小評価すべきではない。日本側のそうした努力を少しでも理解し、認めるジェスチャーを見せれば、日本社会のムードが瞬時に変わることも考えられる。韓国人が日本を批判してばかりいるという認識を与えることは、嫌韓派と安倍政権に『成長エネルギー』を与え続けることにしかならない。今の日韓の社会を見ると、日本よりも韓国の方が心理的に余裕がある。韓国は嫌韓派を親韓派に変える力を十分に持っていると信じている」


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ここまでが、朝鮮日報の記事。





以下は、レジュメのPDFファイル。
記事とレジュメを比べてみると、小倉教授の意図と考えがちゃんと記事に反映されたかどうかわかると思う。
(その答えは人によって違うと思うが)

私が面白いと思ったのは、(以下本文から引用)

・日本のリベラル、左翼勢力の尊大さ
自らも日本人でありながら、自己のみを超越的な立場に置いて、他の日本人に対する「道徳的な審判者」になってしまっている。「良心的日本人」というレッテルの賞味期限切れ

・韓国人は日本への過度な依存をやめるべきだ
ここれ「依存」というのは、歴史問題に起因するすべてのことを「日本のせい」だとして他者化することによって、逆にその他者なしには自己の生存が続けられなくなるような関係性を指している。
この「依存」は、竹島問題や慰安婦問題に関して、韓国のなかで「異論の余地なく」日本が悪い、という意見が全面的に共有されていることに端的に表れている。

・日韓の支援団体への批判
韓国政府はこれまでも河野談話を充分に認めており、尊重している。しかし、運動団体はどうだろうか。日本側の努力を一切認めず、最初から今にいたるまで、日本糾弾のみに邁進しつづけているように、私には見える。



などの内容であった。
もっと詳しい内容は↓のリンクから、PDFをダウンロードしてください。


日本の嫌韓派は何を主張しているのか (←クリック。よっと重い。PDFファイル)


記事と講演資料を見比べてください。



ちなみに、小倉教授は最近の日韓関係についても、以下のメンバーと新しい本を出していて、
講演でおすすめした。



〈『日韓関係の論点』(2014.11.26) クリックしたら、Amazon.co.jpへ〉


小倉和夫(元駐韓・仏日本大使)
小倉紀蔵(京都大学教授)
小此木政夫(慶應義塾大学名誉教授)
金子秀敏(毎日新聞客員編集委員)
黒田勝弘(産経新聞元ソウル支局長)
小針 進(静岡県立大学教授)
若宮啓文(元朝日新聞主筆)

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Author:宇宙飛行士
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拙著紹介

『韓国で行われている「反日教育」の実態』






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